4.今は日本が繁栄を続けられるか、衰退し滅亡するかの分岐点なのだ


(日本経済も日本社会も危機的な状況だが、日本人は目標が定まれば転換は早い)

日本は明治維新において独立を維持し、第二次世界大戦後の廃虚の中からも奇跡的に復興しました。
その結果、経済大国となりましたが、バブル崩壊後の経済再建は遅々として進みません。
一時追いついたかに見えましたが、欧米の企業との格差は拡大し、アジアをはじめとする発展途上国の経済に急速に追いあげられています。
日、米、欧の三極というよりも、米、欧、亜(東アジア)の三極といった方が正確でしょう。
現在では、日本バッシングではなく、日本パッシングとなりつつあります。

さて、日本の国家予算はすでに破産状態です。
都心部などの大都市では、固定資産税、相続税、法人税、事業税、所得税、消費税の負担が重く、皆、税金の支払いに苦労しています。
東京の都心部は、住民が住めなくなり、企業の創業もコストがかかりすぎてたいへん困難な状態です。
一方、国家予算にしめる公共事業の割合はまったく変わらず、無駄が多すぎるように思います。
公共工事は、地域開発が進み、産業基盤が強化され、全体的に採算がとれるのであればよいのですが、採算を無視し、ただ地方に土木工事をばらまくのでは予算の無駄遣いです。

高齢化社会が急速に到来していますが、終身雇用制は次第に減少し、大企業は従業員をリストラしています。
定年が制度上引き上げられたのですが、大企業で定年まで勤められる人はごく一握りの役員・部長クラスで、それ以外の人は途中で止めざるをえません。
教育費がかかるため、親は子どもを何人も育てようとはしません。
とくに東京では都立高校のレベルがさがり、有名大学に進学するためには国立か私立に行くしかありません
出生率は低下するばかりです。若者が少なくなれば、当然経済的活力が失われます。

日本経済はもともと「油上の楼閣」であり、「ひよわな花」なのです。
エネルギーと食糧の自給率が異常に低いので、有事も際にはひとたまりもありません。

現在の日本は日本人同士がつぶしあったり、足を引っ張り合ったりしています。
問題は日本の中でなく、日本の外にあり、日本の外の意向で日本が動かされていることです。
官僚機構を弱体化させ、気骨ある民俗派の政治家や経営者をスキャンダルでつぶしてはなりません。
ただし、私の基本的考え方は民族主義ではなく、主体性がある国際協調ですので、誤解のないようにお願いします。

このような日本を変えなければならないと感じているのは私だけではないと思います。
問題は日本を弱体化させず、より活性化するにはどうするべきかということです。

日本が繁栄を続けられるように、日本人が生き残れるように考えた対策が私の戦略論なのです。
日本は有史以来何回か危機を迎えていますが、その時こそ冷静に対処し、国民全体が団結し、進行方向を大転換して国の滅亡を救ってきました。
日本よりひどい国は世界的に見ればたくさんありますから、がんばればなんとかなるでしょう。


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