10.21世紀人類社会のリーダーとしての日本


(覇権をめざすのではない。人類社会に対する貢献をめざせ。日本の姿勢はやがて人類社会に受け入れられるだろう。)

20世紀末から21世紀初頭の今日にかけて、日本の国力は急速に弱体化してしまいました。
このままでは、21世紀の日本は世界でもっとも悲惨な状態になります。
しかし、明治維新、戦後の復興の時期のように、外国からの圧力を逆に利用して、日本人自身が主体的に改革すれば21世紀人類社会のリーダーになれるでしょう。

改革という名のもとに世界支配層の言いなりになり、日本を弱体化させてはなりません。混乱させてはなりません。
客観的にみて、日本は官僚機構で持っていたことを忘れてはなりません。
官僚が日本のリーダーシップをとっていた時代、経済は高度成長を達成し、国際競争力を保持し、政治・外交も安定していました。
1990年代に入り、政権は短期間で交代し、マスコミは外国に弱く自国の政治家や官僚を批判するので、国家戦略が描けません。
日本政府の経済・金融政策の責任者(大臣)は国会議員か、アメリカのように財界や金融界の代表がなるべきなのに、国際派の民間人が任命されています。

省庁や特殊法人の統廃合をすすめることも行政改革ですが、官僚たちが自の課、自分の局、自分の省とか、特定の業界の利益を図るのではなく、日本、日本国民全体のために 働くことが重要です。
組織を固定化するのではなく、時代の変化のなかで、官僚自身がスクラップアンドビルドを進めていかなければなりません。
予算にしても、人員にしても、省庁によりふやすところ、へらすところがあって当然です。
市町村の統合や地方分権も進めていくべきですが、日本のように狭い国土で、単一民族、単一言語、ほとんどの大企業は全国展開、一家族でも都会と地方を行ったり来たりしている現状では中央集権のほうが効率的かもしれません。
いたずらに機構をかえて混乱させるのではなく、中堅官僚に省庁の枠を超えて交流をはからせ、優秀な官僚を使って日本全体の総合戦略、世界全体の総合戦略を策定させるべきです。
そのためには、まず政権が安定しないと官僚を使いこなす政治家がでません。
さらに国会議員であれば、世界情勢を判断し、自分で政策を立案できるぐらいの能力のある人が議員になるべきです。

首都移転についても東京の臨海開発とおなじで、国民が本当に望んでいるのでしょうか。
莫大な費用は誰が負担するのでしょうか。儲かるのはゼネコンだけです。
世界的にみて、東京でも空洞化が進み他のアジア諸国との競争にかてるかどうかわからないのに、より交通が不便なところに世界の政治家、企業家が来ることはないでしょう。
新幹線、高速道路の建設については採算にあうかどうか検討すべきです。
公共工事の内容をよく検討すべきです。大規模プロジェクトにおいて採算性、経済効果をよく検討すべきです。

規制緩和をはかり、個々人が、企業がよりダイナミックにビジネス活動ができるようにするべきです。
民間の活力により、企業が利益をださなければ、労働者の賃金はあがらず、税収も増加しません。
経済は緩やかに成長していく状態が望ましいのです。
経済力と科学技術あっての日本であり、それらがなければ、世界の国々は日本を相手にしてくれないでしょう。

ところで、私は21世紀の地球文明・人類文明として、「21世紀新人類文明」を提唱してます。
その文明は世界のあらゆる文明を吸収した「文明の坩堝(るつぼ)」でありながら、「太古の叡智」を脈々と継承している日本で生まれ、世界に広まっていくのです。
東洋文明と西洋文明が出会い、精神文明と物質文明の調和がとれた日本であるからこそ、21世紀の地球文明、人類文明が創造できるのです。
科学技術や経済をより発展させるのはもちろんですが、世界的視野で、政治、文化、芸術、スポーツを発展させましょう。
発展途上国にたいしては、たんに経済的援助をするのではなく、文明化し自立できるように、貿易、投資、援助を組み合わせるべきでしょう。
私は政府、企業、NGOが協力すべきだと考えます。

地球はひとつ、人類はひとつ、万教の元もひとつなので、文明もひとつになりつつあります。
特定の民族、特定の階級、特定の企業、特定の組織が世界を支配するのではなく、各国、各民族、各企業、各宗教が独立して、お互いに理解しあうのです。
西洋の技術と東洋の叡智が補完しあうのです。
その両方を受け継いでる日本が「日本の叡智」により世界人類のために貢献するのです。
日本人は20世紀から21世紀への転換点にあたり、その歴史的使命に目覚めようではありませんか。


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日本総合戦略研究所  近藤 章人
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