荒川莉子 浴衣写真集 （１） 上半身 「浴衣モデルのやり方・撮影法 荒川莉子編」
２０１０年８月 東京写真連盟 石神井公園 浴衣撮影会
撮影者 ポートレート スタジオ ファイン
これらの写真はすべて同じ場所で撮影しています。
撮影会ですから、撮影場所は主催者の役員が決め、カメラマンの自由にはなりません。
モデルに対して斜めから横の位置から撮影することが多いです。
モデルからみれば、カメラマンにたいして真正面の位置だけでなく、左右の斜めの位置で変化を持たせるといいでしょう。右斜め、左斜め、両方をバランスよくすること。モデルによっては右ばかり、左ばかりの場合がありますので、カメラマンが注意します。
姿勢としては、猫背にならない、お尻を突き出さない、弓形にそることがポイントです。
真正面をむくことは、体の中心線、顔の中心線（鼻すじ）、目線の方向が一致しています。
それらを一致させずに、真正面を向かず、目線のみカメラ目線が変化のあるポーズです。
カメラ目線が一般的ですが、あえて目線をずらすこともあります。
手は組むか、伸ばすか、体のどこかにつけるかのパターンがあります。
いずれの場合も、手のかたちを工夫して、手のひらよりも手の甲をカメラに見せた方が綺麗だと思います。
手のかたちは、両手を組んで握りしめたり、伸ばすだけでなく、左の写真のように形を工夫しましょう。グーでもパーでもなくチョキが基本と教えています。
両手を伸ばしたり、組んだりすることもありますが、どちらかの手を体のどこかにつけて、別の手を伸ばすこともあります。片方を胸につけ、もう片方を伸ばすことはよくやるポーズです。
それを正面から撮影したり、真横から撮影したりしています。
着物の場合、帯の結び方がポイントですから、ほぼ真後ろから撮影する場合もあります。
この場合は目線をカメラの方にむけています。
上半身全体で振り返れば「見返り美人」という有名なきもののポーズになります。お手本は浮世絵です。
上半身からバストアップに近い写真です。モデルの周囲の景色を少なく、、モデルのみを撮影しています。
モデルとカメラマンの距離がもう少しとれれば、望遠レンズで背景をボカシて、モデルを浮き上がらせて撮影できます。
撮影会では、前にカメラマンが割り込んできますので、モデルと距離をあけた撮影は困難です。
背景はモデルの場所より暗く、できるだけ雑然としていない、モデルの服装の色と反対色の場合が、モデルがはっきりと写ります。
背景とモデルのバランス、光線（逆光、斜光、順光）、モデルのポーズ、顔の表情、目線、手の位置や形などを考え、モデルを導きながら撮影します。
もっとも重要なことは、モデルのポーズだけではなく、モデルをリラックスさせ、気持ちをコントロールして、魅力を引き出して撮影することです。
